空き家をリフォームする場合の費用は?補助金や助成金についても解説

公開日:2024/07/23  

空き家リフォーム

空き家をリフォームする際の費用は、リフォームの規模や目的によって大きく異なります。また、自治体からの補助金や助成金を利用することで、費用の一部をまかなうことも可能です。

本記事では、空き家リフォームの費用相場や補助金制度について詳しく解説し、リフォームのメリットやデメリットも紹介します。

空き家リフォームの費用相場

空き家をリフォームする際の費用は、フルリフォームと部分的なリフォームで大きく異なります。フルリフォームとは、建物全体をリニューアルすることであり、費用も高額になるのです。一方、部分的なリフォームは、特定の部分のみを改修するものであり、比較的低コストで行うことができます。

フルリフォームの相場は500〜1,500万円

フルリフォームの相場は、建物の規模や状態によりますが、おおよそ500万円から1,500万円程度が一般的です。この費用には、構造の補強や内装の全面改装、配管や電気系統の更新などが含まれます。とくに築年数が古い建物の場合、耐震補強や断熱改修も必要になるため、さらに費用がかさむことがあります。

フルリフォームは高額な投資ですが、建物の価値を大きく向上させるためにはメリットのある方法です。

部分的なリフォームの費用相場

部分的なリフォームの費用相場は、改修する部位や工事の内容によって異なります。こちらでは、代表的なリフォーム箇所の費用相場を紹介します。

壁紙交換

壁紙交換は、室内の雰囲気を一新するための手軽なリフォーム方法です。費用は1平方メートルあたり1,000円から3,000円程度が相場です

たとえば、20平方メートルの部屋全体を交換する場合、2万円から6万円程度の費用がかかります。素材やデザインによって価格が変動するため、予算に合わせた選択が可能で、壁紙の種類や色合いを工夫することで、部屋全体の印象を大きく変えることができます。

床交換

床の交換は、居住空間の快適さと美観を向上させるための重要なリフォームです。費用は使用する材料によって異なりますが、フローリングの場合は、1平方メートルあたり5,000円から1万円程度です

たとえば、20平方メートルの部屋全体を交換する場合、10万円から20万円程度が必要です。選ぶ材料によって、耐久性やメンテナンスのしやすさが異なるため、ライフスタイルに合ったものを選ぶことが大切です。

窓交換

窓交換は、断熱性能や防音性能の向上を目的としたリフォームです。1か所あたりの費用は10万円から30万円程度が一般的です。

断熱性能や防犯性能を高めるための二重窓や防犯ガラスを選ぶことで、さらに快適な住環境を実現できます。窓の交換はエネルギー効率の向上にも寄与し、冷暖房費の削減にもつながります

窓交換は、デザインや機能性を重視して選ぶことが重要です。

お風呂

お風呂のリフォームは、快適なバスタイムを実現するための重要な改修です。費用は50万円から200万円程度が相場です。ユニットバスの交換やタイルの張り替え、バリアフリー化などが主な工事内容です。

とくに高齢者や家族がいる場合、安全性と快適性を重視した設計が求められます。最新の設備を導入することで、省エネ効果や使い勝手の向上も期待できます。

洗面所

洗面所のリフォームは、毎日の生活を快適にするための重要な改修です。費用は20万円から50万円程度が一般的な相場になります。

洗面台の交換や収納の増設、壁紙の張り替えが主な工事内容です。とくに収納スペースを増やすことで、使い勝手が大幅に向上します。

また、最新の洗面台を導入することで、水回りの掃除がしやすくなり、衛生的な環境を保つことができます。

キッチン

キッチンのリフォームは、家族の健康と快適な生活を支える重要な改修です。費用は50万円から300万円程度です。システムキッチンの交換やレイアウトの変更、配管の移設などが含まれます

最新の設備を導入することで、料理の効率が上がり、掃除もしやすさにもつながります。使いやすいキッチンは、家族のコミュニケーションの場としても重要です。

断熱材

断熱材の改修は、建物のエネルギー効率を高めるための重要なリフォームです。費用は1平方メートルあたり3,000円から5,000円程度です。建物全体を改修する場合、総額で100万円から300万円程度かかります。

断熱材の追加や交換により、冬は暖かく夏は涼しい快適な居住環境を実現できるでしょう。また、エネルギー効率の向上により、冷暖房費の削減にもつながります。

耐震工事

耐震工事は、地震に対する建物の安全性を高めるための重要なリフォームです。費用は建物の規模や状態によりますが、100万円から500万円程度が相場になります

とくに、築年数が古い建物や現在の耐震基準を満たしていない建物の場合、費用が高くなることがあります。耐震工事を行うことで、地震時の被害を最小限に抑え、安心して暮らせる住まいを実現するのです。

シロアリ・雨漏り修理

シロアリや雨漏りの修理は、建物の健康を守るための重要なリフォームです。費用は被害の程度によりますが、10万円から100万円程度が一般的です

被害が広範囲にわたる場合は、さらに費用がかかることがあります。早期に修理を行うことで、建物の劣化を防ぎ、長期的な維持費用を抑えることが可能です。

シロアリ対策や雨漏り防止のための定期的な点検も重要です。

空き家のリフォームは活用目的によって異なる

空き家のリフォーム費用は、活用目的によっても大きく変わります。たとえば、古民家を購入して住居として利用する場合と、賃貸目的でリフォームする場合では、必要な改修内容や費用が異なります。

古民家を購入してリフォームする場合

古民家を購入してリフォームして住む場合、伝統的な建築様式と現代の生活の利便性を兼ね備えた住まいを作ることが可能です。まず、古民家の特性を活かしつつ、耐震補強や断熱材の追加工事が必要になります。

古い建物は現在の耐震基準を満たしていない場合が多いため、安全性を確保するためには耐震工事が欠かせません。また、断熱性能の向上により、冬は暖かく夏は涼しい快適な住環境が実現できます。

内部の改修では、キッチンやバスルームなどの水回りのリフォームが重要です。これらの設備を最新のものに更新することで、使い勝手が大幅に向上するでしょう。

とくに古民家は配管が古くなっていることが多いため、全面的な交換が必要になることがあります。さらに、内装のデザインにも工夫が必要です。

古民家の特徴である木材や和風の味わいを活かしつつ、現代的な快適さを取り入れたデザインにすることで、居心地のよい空間を作り上げることができます。床や壁の材質、照明の選び方にもこだわり、伝統と現代の調和を図ることがポイントです。

古民家のリフォームには、地域ごとの補助金や助成金制度を利用することができます。これらの制度を活用することで、リフォーム費用の負担を軽減することが可能です。

また、リフォームを通じて古民家の価値を高めることで、将来的な資産価値の向上も期待できます。古民家リフォームは時間と費用がかかりますが、長く愛着のもてる特別な住まいを手に入れることが可能です。

賃貸・売却目的で空き家をリフォームする場合

賃貸目的で空き家をリフォームする場合、入居者の快適さと安全性を重視した改修が必要です。費用は100万円から500万円程度が一般的で、キッチンやバスルームの交換、壁紙の張り替えが主な内容です。

リフォームによって物件の魅力を高めることで、入居者の募集がスムーズになり、空き家の収益化が期待できます。また、耐震工事や断熱改修を行うことで、長期的な入居者の満足度も向上します。

売却目的の場合は、外壁や壁紙などの外観や劣化しやすい水回りなど、最低限のリフォームをするのが賢い方法です。

空き家をリフォームするメリット

空き家をリフォームすることには、多くのメリットがあります。以下では、その代表的なメリットを紹介します。

倒壊・犯罪リスクを軽減

空き家のリフォームは、建物の倒壊や犯罪リスクを軽減する重要な手段です。放置された空き家は、老朽化により倒壊の危険性が高まり、また、犯罪者の隠れ家や不法侵入の温床となりやすいです。

リフォームにより建物や防犯面を強化し、安全性を向上させることで、地域全体の防犯意識を高める効果も期待できます。適切なメンテナンスとリフォームにより、空き家を安全で安心な住まいに変えることが可能です

買い手・借りてがつきやすくなる

空き家をリフォームすることで、買い手や借り手がつきやすくなります。現代の生活スタイルに合った快適な住環境を提供することで、物件の魅力が高まり、購入希望者や賃借希望者が増えます。

また、リフォームにより物件の価値が向上するため、適正価格での取引が可能です。とくにキッチンやバスルームなどの水回りの改修は、入居者にとって重要なポイントとなるため、効果的なリフォームが求められます。

機能・性能の向上

空き家のリフォームは、建物の機能や性能を大幅に向上させます。断熱材の追加や窓の交換により、エネルギー効率が高まり、冷暖房費の削減が期待できるのがメリットです

また、最新の設備を導入することで、日常生活の快適さが向上します。とくにキッチンやバスルームなどの改修は、利便性を大きく改善し、居住者の満足度を高めてくれるでしょう。

リフォームにより、古い建物が現代のニーズに合った住まいに生まれ変わります。

空き家をリフォームするデメリット

一方で、空き家をリフォームすることにはデメリットもあります。以下では、その代表的なデメリットを紹介します。

費用がかかる

空き家のリフォームには多額の費用がかかることがあります。たとえば、築50年の木造住宅を全面リフォームする場合、耐震補強や断熱材の追加、配管や電気設備の更新、内装の全面改装などを行うと、総額で500万円から1,500万円程度の費用が必要です

部分的なリフォームでも、キッチンの交換には50万円から200万円、バスルームの改修には50万円から150万円程度かかります。これらの費用を負担するためには、しっかりとした資金計画が求められます。

築年数によっては耐震工事が必要

築年数の古い建物は、現在の耐震基準を満たしていないことが多く、耐震工事が必要です。たとえば、築40年以上の建物の場合、地震に対する耐久性が不足していることが一般的で、耐震補強工事を行うことで安全性を高める必要があります。

費用は建物の規模や状態によりますが、100万円から500万円程度が一般的です。耐震工事を行うことで、地震時の被害を最小限に抑え、安心して住むことができる住まいを実現します

空き家リフォームの補助金・助成金制度

空き家のリフォームには、自治体からの補助金や助成金を利用することができます。これにより、リフォーム費用の一部を賄うことが可能です。

ここでは、空き家リフォームに活用できる補助金や助成金について解説していきましょう。

自治体によって補助金・助成金制度は異なる

空き家リフォームの補助金・助成金制度は、自治体によって内容が大きく異なります。たとえば、東京都では「空き家活用推進事業」という補助金制度があり、空き家を改修して賃貸住宅や店舗として活用する場合に補助金が支給される制度です

この制度では、改修費の一部が補助されるため、空き家の活用が促進されやすくなっています。一方で、北海道札幌市では「さっぽろ空き家活用補助金」が用意されており、空き家の解体や改修、再利用を促進するための補助金が提供されています。

この制度では、リフォームにかかる費用の一部を補助し、地域の空き家問題を解消しようという試みの制度です。

また、大阪市では「空き家再生支援事業」が実施されており、空き家をリフォームして新たな用途で活用する場合に補助金が支給されます。この制度では、耐震改修やバリアフリー化、エネルギー効率の向上など、具体的な改修内容に応じて補助金が交付されるため、空き家の安全性や利便性の向上を目的としています

2つの事例からもわかるように、自治体ごとに補助金や助成金の内容はさまざまであり、それぞれの地域の特性や課題に合わせた制度が整備されているのが特徴です。空き家リフォームを検討する際は、まずは自治体のウェブサイトや窓口で情報を収集し、利用可能な制度を確認することが重要です。

適切な補助金や助成金を活用することで、リフォーム費用の負担を軽減し、空き家の有効活用を進めることができます。

空き家のリフォームで利用できる減税制度

耐震改修や省エネ改修など、特定のリフォームを行うことで所得税の控除を受けることができます。詳細な条件や手続きについては、税務署や専門家に確認することが重要です。

特定のリフォームで受けられる減税制度

空き家をリフォームする際には、いくつかの特定のリフォームに対して減税制度が適用されることがあります。減税制度を活用することで、リフォームにかかるコストを軽減し、経済的な負担を軽くすることが可能です。

まず、「住宅ローン減税」があります。これは、リフォームにともない住宅ローンを利用した場合に、一定の条件を満たすことでローンの年末残高の1%が所得税から控除される制度です

具体的には、バリアフリー改修や省エネ改修など、特定のリフォームが対象となります。これにより、高額なリフォーム費用の一部を税金の控除として受け取ることが可能です。

次に「リフォーム減税」も重要です。これは、耐震改修やバリアフリー改修、省エネ改修などの特定のリフォームを行った場合に、所得税の控除が受けられる制度です。

たとえば、耐震改修を行った場合、改修費用の一部が所得税から控除されるため、空き家を安く利用できるようになります。また、省エネ改修では、断熱材の交換や高効率な設備への交換などが対象となり、エネルギー効率の向上とともに税金の控除が受けられる点が魅力です

減税制度は、特定のリフォームを行うことで受けられるものですが、条件や手続きが細かく定められています。したがって、リフォームを計画する際には、事前に制度の詳細を確認し、適切な手続きを行うことが重要です。

減税制度を有効に活用することで、空き家のリフォームをより経済的に進めることが可能となります。

固定資産税や贈与税の減税が受けられる​​

空き家のリフォームを行う際には、固定資産税や贈与税の減税を受けることができる制度が用意されています。これらの減税制度を利用することで、リフォーム費用だけでなく、将来的な税負担も軽減することが可能です。

まず、固定資産税の減税は省エネ改修や耐震改修、バリアフリー改修などを行った場合に、固定資産税の減額を受けられる制度があります。具体的には、省エネ改修を行った住宅に対しては、翌年度の固定資産税が一定期間減額されます。

たとえば、太陽光発電システムの導入や断熱材の交換、高効率なエアコンや給湯器への交換などが対象です。空き家のリフォームを行うことで、エネルギー効率の向上とともに固定資産税の負担を軽減できる点が魅力です。

次に、贈与税の減税制度についてです。親から子どもへの空き家の贈与に際して、一定の条件を満たすことで贈与税が非課税となる特例があります。

たとえば、親が住んでいた空き家を子供がリフォームして居住する場合は、贈与税の非課税特例を利用することで、大幅な税負担を避けることができます。制度を利用するためには、リフォーム後の居住期間や用途に関する条件を満たす必要がありますが、親子間の空き家活用を促進する有効な手段です。

減税制度を賢く活用することで、経済的な負担を大幅に軽減し、快適な住環境を実現することができます。減税制度を利用する際は、事前に制度の詳細を確認し、必要な手続きを適切に行うことが重要です。

まとめ

空き家のリフォームは、建物の活用方法や状態によって費用が大きく異なります。フルリフォームは500万円から1,500万円程度、部分的なリフォームは10万円から数百万円まで幅広く、補助金や助成金の利用で費用を抑えることが可能です。

リフォームには、倒壊や犯罪リスクの軽減、物件の価値向上、機能改善といった多くのメリットがありますが、高額な費用や耐震工事の必要性といったデメリットも存在しますので適切な情報収集と計画が重要です。

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