断熱リフォームのメリットと注意点を解説
住まいの快適性を高めるには、断熱性を高めるのが効果的といわれています。実際に家の断熱性能は、季節を問わず快適に過ごすために重要なポイントです。そこで今回は、断熱リフォームに焦点を当てて解説をしていきます。断熱リフォームのメリットや実施する際の注意点をまとめて紹介するので、ぜひ参考にしてください。
断熱リフォームの種類
断熱リフォームには主に外断熱工法と内断熱工法の2種類があります。
それぞれの工法におけるメリットとデメリットについて解説します。
外断熱工法
外断熱工法は、建物全体を断熱材で包み込む方法です。
外側に断熱材を取り付けることで、断熱材の隙間が少なく高い断熱効果が期待できます。また、内部の空間を広く保てる点も魅力です。ただし、工事費用が高く、工期も長くなるのがデメリットです。費用は1平方メートルあたり5,000円から6,000円程度で、足場代や養生費用が追加でかかります。
施工手順としては、まず足場を組んで外壁の上から断熱材を張り、その上に塗装します。簡易的な工事では断熱塗料を塗るだけで完了する場合もあります。工期は塗装だけで2〜3週間、断熱材を張る場合は1〜2か月かかるでしょう。
内断熱工法
内断熱工法は、壁や柱、床の内側に断熱材を詰める方法です。
外壁の厚みを変えずに断熱でき、費用も比較的低く抑えられます。しかし、外断熱工法より気密性が低いため、断熱効果が弱くなる可能性があります。費用は1平方メートルあたり3,000円から4,000円程度で、天井や床、壁の撤去・張り替え費用もかかります。
施工手順としては、まず壁や床を剥がし、断熱材を詰めた後に元通りに張り直します。工期は1週間〜10日程度で、広い住宅ではさらに長くなることがあります。
断熱リフォームのメリット
断熱リフォームには多くのメリットがあります。
以下に主な利点をまとめるので参考にしてください。
外気温の影響を受けにくくなる
断熱リフォームを行うことで、外気温の影響を受けにくくなります。
これにより、夏は涼しく、冬は暖かい快適な住環境を作れるでしょう。日本の伝統家屋は夏に快適であることを重視して設計されていますが、現代の住宅では空調が効きにくいことが多いです。
断熱を施すことで、エアコンの効きがよくなり、どんな気候でも快適に過ごせます。たとえば、天井や壁に断熱材を施すことで、真夏の直射日光や冬の寒さから守られるでしょう。
光熱費の削減
断熱リフォームによって、光熱費が削減できます。
とくに古い家屋では断熱材が不十分で、光熱費がかかりがちです。断熱を施すことで、エアコンの設定温度を高めにしても快適に過ごせるようになり、外気温の影響も受けにくくなります。
これにより、設定温度と実際の温度の差が小さくなり、電気代を節約できます。断熱リフォームを壁や天井に施すことで、年間で6万円以上の光熱費削減が期待できる場合もあります。
住む人の健康維持
断熱が不十分な家では、暖房が効いた部屋と暖房がない場所との温度差が大きくなります。
温度差により、急激な温度変化が体に負担をかけ、とくに高齢者にとってはヒートショックのリスクが高まります。しかし、断熱リフォームを実施すれば、室内の温度差を小さくして健康リスクを低減させることが可能です。
カビや結露の防止
断熱が不十分だと結露が発生しやすく、カビや腐食の原因となります
。とくに窓や壁に結露が発生すると、カビが生え、健康被害や家の寿命を縮める原因になります。断熱リフォームを行うことで、結露を防いで快適な住環境を維持し、家の寿命を延ばせるでしょう。
断熱リフォームを実施する際の注意点
断熱リフォームを行う際には、いくつかの注意点があります。
悪質なリフォーム業者に注意
断熱リフォーム業者は多く存在し、中には相場よりも大幅に安い金額を提示してくる業者もあります。
しかし、料金の安さが必ずしもよいこととは限りません。リフォーム料金が安すぎる業者は、必要な工事を省いたり、質の低い材料を使用したりする可能性があります。業者を選ぶ際は、まず業者の実績や評判を確認することが重要です。
業者の信頼性を見極めるためには、ある程度の時間をかけての調査が必要です。
追加工事が発生しないように
見積もりの段階で業者と十分に話し合い、追加工事が発生しないようにすることが重要です。
たとえば、最初に壁と窓を一緒にリフォームする予定で見積もりを取った場合と、後から窓のリフォームを追加で行った場合では、費用に大きな差が生じることがあります。
見積もり内容を詳細に確認し、どのような工事が含まれているのか、追加工事の可能性についても業者と確認しておくことが大切です。
まとめ
断熱リフォームは、住まいの快適性を大幅に向上させる効果的な方法です。外断熱工法と内断熱工法の2種類があり、それぞれにメリットとデメリットがあります。外断熱工法は高い断熱効果が得られ、室内空間を広く保てる一方で、費用が高く工期も長くなります。一方、内断熱工法は比較的低コストで施工できるものの、断熱効果が劣る場合があります。しかし、断熱リフォームを施すことで、外気温の影響を受けにくくなり、光熱費の削減や家族の健康維持にも繋がります。また、カビや結露を防ぎ、家の寿命を延ばすことも可能です。工事を実施する際には、悪質な業者によるトラブルを避けるためにも業者の信頼性を確認し、見積もり時に追加工事の有無についても十分に話し合うことが重要です。